和名は黄鉄鉱。金属光沢のある真鍮色で、自然が生んだとは思えないほど整った立方体の結晶をつくります。
この鉱物について
スペインのナバフン産の標本は、鋭い角をもつ完全な立方体が母岩から突き出しており、人工物と間違われるほどの完成度で知られます。結晶が妨げられずに成長できた条件がそろった結果です。
金と間違われたことから「愚者の黄金(フールズゴールド)」と呼ばれます。見分けるには条痕を見ます。素焼きの板にこすると、金は金色、パイライトは黒緑色の線を残します。
五角形の面をもつ十二面体(パイリトヘドロン)や八面体など、同じ鉱物でも条件によって異なる結晶形が現れます。日本でも各地の鉱山から産出しました。
見分け方・選び方
結晶の角がシャープで、面に曇りのないものが上質です。
湿気の多い場所では酸化して硫酸を生じ、崩れることがあります(パイライト病)。乾燥した場所で保管してください。
石に込められてきた意味
名はギリシャ語の「火(ピュル)」に由来し、打つと火花が出ることから発火具として使われた歴史があります。
意志を固め、外からの影響をはね返す守りの石として語られます。
ここで紹介している意味や効果は、各地で語り継がれてきた文化・伝承です。科学的に実証されたものではなく、医療行為の代替にもなりません。石を楽しむための背景としてお読みください。
お手入れと保管
- 水濡れ厳禁。洗わず、乾いた筆でほこりを払う。
- 湿度の高い場所を避け、乾燥剤とともに保管する。
- 硫黄を含むため、他の標本と密閉容器で同居させない。
基本データ
- 和名
- 黄鉄鉱
- 英名
- Pyrite
- 結晶系
- 等軸晶系
- 化学式
- FeS2
- モース硬度
- 6〜6.5
- 色
- 黄
- 主な産地
- スペイン/ペルー/イタリア/日本





